「人生一度きり」という言葉

私見
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「人生一度きりだから」と言う人がいます。

なにかとこの言葉を口に出して、積極的に行動する人は、横で見ているぶんにはいいですが、個人的にはちょっと苦手です。

「人生一度きり」というのは、「1+1=2である」「地球は太陽系の惑星である」などと言っているのと同じで、ただ正しいことを言っている、それだけです。

「人生一度きりだから、好きなことをやろう」「人生一度きりだから、チャレンジしてみよう」などと言う人は、自分がやりたいことについて理由をつけて正当化している、要するに言い訳をしているわけです。

そんな言い訳をしなくとも、他人になんと言われようと、他人に迷惑をかけない範囲で、自分がやりたいことをやればいいのです。人生一度きりなどと前置きはしないで、「自分が決めたことだから、やる」「自分がいいと思ったからやる」でいいはずです。

もちろん、そういう発言が出る理由も分かっていますので、それでその人の気が済むなら、それもいいでしょう。ただ、そのことで「自分は前向きですごい」「自分は頑張っている」と思い込み、自分の中だけの考えにとどまらず、外に出る場合があるのがやっかいです。積極的な人というのは、そういったことがよくあります。だから苦手です。

あえて「人生一度きり」という言葉を適切に使うのであれば、他人が何かに迷っているときに、その人に声をかけてあげるときだと思います。「迷ってるようだけど、人生一度きりだし、あなたならきっとうまくできると思うから、やってみれば?」といった具合で、他人が背中を押してあげるのには、いい言葉だと思います。使うとすればそのくらいです。

なんにせよ、人生一度きりなのは、誰もが皆、例外なく同じです。自分で決めようが、他人に決めてもらおうが、なるようにしかなりません。

つい「人生一度きり」と言ってしまうかたは、それを理由にせず、論理的に考えて、妥当な理由を用意してから、「自分で考えて決めました!」と言ってほしいと思います。また、そういった熱意は、自分と、自分の近くの狭い範囲だけで抑えていただきたいです。

・・・誰に対して言っているのでしょう(苦笑

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