テレビで旧石器捏造発覚の話をやっていて、それについて調べていたところ、それよりも「ハロー効果」という心理学用語のほうが気になりました。
ハロー効果とは、Wikipediaいわく、ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のことだそうです。
例:
・高学歴だから仕事ができる
・英語がしゃべれると頭がよい
・芸能人が勧めるお店は美味しい
・坊主憎けりゃ袈裟まで憎い
強い印象に引っぱられて、他の発言や意見についても正しく感じてしまうことは、よくありますよね。
旧石器捏造の件では、石器を自分で発掘現場に埋めて、それを掘り出すという、自作自演の捏造をしていたことが分かり、大事件になりました。
当時から、なんかおかしいと疑う人もいましたが、その声はかき消され、捏造発覚が遅れました。
その要因の一つがハロー効果であり、犯人が過去から石器発掘で数々の実績を残し、石器発掘の権威であったがために、疑いの目がそれてしまったわけです。
そんなわけで、むしろハロー効果のほうが気になったわけですが、ハロー効果を調べてみると、イメージアップとしてうまく利用しようという内容が多く見られました。
たとえば、スーツをビシッと決めて表情を明るくすると仕事もできそうに見えるとか、ブランドイメージがよいとどの製品も良いように見えるとか、ハロー効果をうまく利用して、自分の能力以上に魅力を感じさせようというわけです。
面接での自己アピールなどでは、大切なことですね。
ただ、逆に言えば、ハロー効果は見せかけのものであり、本当の実力ではない、ということも言えるわけです。
名刺に肩書きがたくさんあるからといって、仕事ができるとは限らず、人間としてヒドい人もいるでしょう。
会社でも、役職がある上司やベテランがいて、過去に実績を残して出世したんだ、仕事ができるに違いない、その人の発言は正しいに違いない、と思うと、そういうわけでもなかったりします。
見た目の印象がいいだけで、中身がない人はたくさんいるでしょう。
そういった人たちに注意するとともに、自分についても見直さなければいけないと感じました。
後輩の面倒を見ているときに、私の話を正しいと思って聞いてくれているものの、本当に自分は正しいことを言えているのか?
ただおとなしく聞いてくれているだけではないのか?
そう自戒せざるをえないところもあります。
そういう意味で、ハロー効果は興味深い題材でした。