やる気がなく、何事もラクをして生きていたい私ですが、ここのところ本人の思いに反して、処理しないといけない仕事が増えてきています。
いろいろと締切がある仕事も多く、スケジュール管理的なことも必要になってしまいました。
引き続きラクをしていきたい私としては、時間短縮やアイデアなどでうまく対応するため、賢人の知恵をお借りしようと、本をいろいろ買ってきました。
その中から、自分がいいなあと思うものだけピックアップして、かいつまんでメモしておこうと思います。
先延ばしにすると2倍の労力
エメットの法則というものがあるそうです。
■第1法則
物事を先延ばしにすると、
すぐに処理するのと比べて、
2倍の時間とエネルギーが必要になる
■第2法則
物事を先延ばしにする原因の一つは、
完璧にやりたいというこだわりである
第1法則は、すぐにやれば1時間で済んだものが、あとでやると2時間かかるという意味です。
経験則なのでしょうが、記憶が新しいうちに処理したほうが、確かに手間は減りそうです。議事録をまとめるときとか、会議から時間が経てば経つほど忘れてしまって、録音や録画を見直す必要が出てきてしまいます。
計算の処理なども、まとめてやったほうが効率的かと思いきや、ごちゃごちゃして整理するのが大変だったりします。発生したときにすぐ処理したほうが早く済むとのことです。
処理すべきものが同時進行している場合も、早いほうがいいとのことです。食べ物がだんだん悪くなっていくのと同じように、仕事にも鮮度があり、できるだけ早く手をつけたほうがいい場合があるとのこと。
個人的には、なんの理由もなく、なんとなくめんどくさいとかやる気が出ないという理由だけで後回しにしているなら、先にやってしまったほうがいいのかもしれないと感じました。
第2法則は、もっとちゃんとしたものを作りたいから、時間があるときにやる、と後回しにして、なかなかやらないというパターンです。最初は未熟でも、どんどん手を付けてやり始めたほうがよいというわけです。
特に、始めるのにとてもパワーが必要なものほど、とにかくやってみるのが大事だとのことです。そうは言っても、それで手が止まってしまって、ほかの仕事が何もできなくなるのも困る気がしますけどね。理屈としてはわかります。
集中時間を作る
仕事中には、メールが届いて返事を書いたり、会議に出たり、急な仕事が入ったりなど、同時進行でたくさんのことが起きます。それらをその都度気にしていると、本当にやりたいことがなかなか終わりません。
そういったときは、よほどの急ぎのものではない限り、ひとつのことに集中して処理するのがよいそうです。
全体像をイメージしてから始める
目の前の現場仕事をどんどんこなすのは得意だけど、ダンドリが苦手な人がいます。私もそんな感じです。
そういった人は、処理は早いけど、準備ができてなくて後日間に合わないとか、漏れが出るなどのミスが発生することが増えがちです。また、そもそも始めた理由や目的ってなんだっけ?となることもあります。
その仕事のスタートからゴールまでをイメージして、そのために必要な工程を考えてから、作業に取りかかるとよいそうです。
ただし、一瞬で終わるようなことについては、悩むよりすぐ終わらせたほうがよいことがあります。案件をためるより、減らしていったほうがいいものは、すぐにやるほうがよさそうです。また、トラブル対応や、嫌なことほど早く済ませたほうがいいとのことです。
すべての仕事に締切日を設定
なにをやるかを列挙して、終わったら済チェックをつける、タスク管理があります。毎日やるもの、月内にやること、締切日までにやることなど、やらなきゃいけない仕事を忘れずにやるためのチェックです。
一日の勤務時間の中で、そういった仕事をやる時間を確保して行うわけですが、どちらかというと空いた時間にいつやってもいいような扱いです。
しかし、やるべきこと、タスクがたくさんある場合、あんまりちんたらやっていると、締切日までに終わらなくて大変になることがあります。
また、タスクを行うタイミングもある内容や、他者のリアクションを待ってからじゃないと始められないもの(期限内に提出されたものをまとめる等)もあります。
なので、いっそのこと、タスク方式の管理をやめて、スケジュール化して、「なにをやる」だけでなく「いつまでにやる」という締切もつけて、カレンダーに入れてしまう、という方法もありますよ、というわけです。
私は、ものぐさなわりには作業漏れを気にするところがあるので、この方法はちょっといいかもしれないなと思いました。
役割分担とリマインドは大事
仕事では、自分がやるのではなく、他人に仕事をお願いすることもあります。そのときにも、ダンドリどおりにやるためのコツがあるそうです。
まず、お願いするときは、やるべきことを一旦洗い出し、一覧にしてから、役割分担で担当を割り振ることだそうです。全体像が見えた状態で、担当を任される側がしっかり認識する点が大事というわけです。
また、担当を決めたあとも、締切をうっかり忘れてしまったり、ぜんぜん形になっていないことがあります。私もありまくりなので、他の人に頼んだ場合も当然そういうことがあるわけです。
予定どおりに処理できていない状態で会議を開いても、話が先に進まなくなってしまいます。
そういったことを防ぐために、お願いした仕事があった場合は、進捗を確認するために、締切直前にリマインドするとよいとのこと。ちょっとした声がけでトラブルを回避できるというわけです。
仕事の優先順位のつけかた
たくさんの仕事がある中で、どれから手を付けるかという優先順位をつけたり、これはやらないことにしようという取捨選択の判断をすることが、効率化のためには必要になってきます。
その判断のための方法として、クロス分析のように2軸で整理する方法があります。
2軸の要素には複数のパターンがあります。
a.緊急度と重要度
b.効果と実現性(難易度・スピード)
c.自分のメリットと他人のメリット
a.は、緊急でかつ重要なものを最初にやるべきということです。緊急と重要は似ていますが、一緒にしないところがポイントで、重要だから早くやろう、とは思わないことです。その次が迷いどころですね。緊急度高×重要度低を選ぶか。緊急度低×重要度高を選ぶか。急ぎのものを先に手をつけることが多いと思いますが、その場合はなるべくシンプルに短時間で解決を目指す。緊急ではないけど重要なものは、後回しにならないように計画的に進めておくことが大事だそうです。
b.は、a.では順位をつけられないような、どれも重要なもので、どれかを先にやり、どれかを後回しにせざるをえない場合、どれを優先するかという話です。この場合は、完了したときの効果が大きく、なおかつ業務的に大変ではなく、すぐにできる、実現性の高いものを優先的に選ぶとよいとのことでした。すぐにできるけど、効果が低いものは、やる意味があるか考える。効果は高いけど、やるのが難しすぎたり時間がかかりすぎるのも、机上の空論かもしれない。効果もなく、実現も難しいものは、諦めるという感じです。
c.は、仕事の取捨選択のときに使うそうですが、誰にとってメリットがあるか、必要な仕事なのかという視点です。なんとなく流れでやってきた業務が、自分にとっても意味がなく、他人にも意味がない場合、やる意味がないことになるので、さっさとやめたほうがいい、ということです。その逆の、自分にも他人にもメリットがあることに注力するのが理想的ということです。ちなみに、自分にだけメリットがあることも、いずれみんなの役に立つかもしれないので、簡単にやめないほうがいいようです。また、自分にメリットはないけど他人は喜んでいる場合も、おろそかにしないほうがよいとのことです。
やったほうがいいもの?
「やらなきゃいけないもの」と「やったほうがいいもの」はとても似ていて、やったほうがいいものもなるべく手をつけたほうがいい、と思いがちです。
時間に余裕がある人はいいですが、やらなきゃいけないことが多い人の場合、そこまで手を広げるとパンクしそうですね。
やったほうがいいものは、基本やらない。または、時間ができたときにやったほうがよいとのことです。
また、やったほうがいいものは、「なぜやったほうがいいのか」という理由を考えてみると、そのやりかたにこだわらず、別の方法で代替できたり、やらなくて済むことが多いそうです。
ちなみに「やらなきゃいけないもの」は、「やったほうがいいもの」の中で、効果が明確で、それにより成果が出る、みんなにとって必要など、やる意味があるものを指します。
自分にしかできない仕事を優先する
抱えている仕事はなるべく少ないほうが、一つひとつの仕事の質が上がります。かといって、仕事をどんどん捨てるというのは、なかなか難しいものです。
その取捨選択のポイントは、「自分にしかできない仕事かどうか」である、というわけです。
たくさん仕事を抱えている人の中には、実は他人でもできることなのに、自分でやろうとしてしまっていることが多くあるとのこと。とても心当たりがあります。なんとなくこだわりというか、自分でやりたいという気持ちが出てしまいますね。
本当にやらなければいけないことがあるのに、他の人でもできることをやってしまって、手が空かなかったら大変です。ここは一つ、自分にしかできない仕事に時間を割いて、そこに力を入れるようにしたほうがよさそうです。
ただ、そのぶん他の人が大変になることにもなるので、助けられるタイミングでは助けたほうがいいでしょうね。
ホウレンソウの順番
報告・連絡・相談を、略してホウレンソウ(報連相)と言い、部下が上司に対して必要な、とても大事なことと言われます。
これは、順番もこの通りにする、という意味ではないとのことです。私も違和感はずっとありました。何もやってないうちに報告ってなんだろうと。
通常は、「ソウ→レン→ホウ」の順番で仕事をしていくことになるかと思います。
■相談
どう進めればいいでしょう?と相談して、上司の考えをもらいながら、上司の方向性と一致していることを確認する。
■連絡
仕事の進み具合を、定期的に上司に伝える。
■報告
仕事がおわったこと、成果などを上司に報告する。
特に、最初の相談をせずにいきなり仕事に手を付けると、上司と方向性が一致しなかったときに、やり直しが発生して、余計に時間と手間がかかることがあります。
ホウレンソウ(ソウレンホウ)は、主に上司が求めるものですが、部下の立場でも上記のような意味で大事になるかと思います。
目的と目標を定めてから手段を考える
現場仕事を一つずつ処理していると、なんでそれをやっているのか、分からなくなってくることがあります。そこで、当初の目的、目標を振り返ることが大事になってきます。
なぜそれをやっているのか? → 上司から指示されたから、では仕方ありません。理由をしっかり言える必要があるというわけです。
■手段
・フローを見直す
・業者を変える など
↓ 元々は・・・
■目的
会社業績を上げる
■目標
納期を2日短縮する
自分がやる場合も、他の人にお願いする場合も、目的を見失わないことか大事ですね。
自分の意見を持っておく
上司に対して、自分でまず考えを持っておいてから、相談をするようにと、よく言われます。
そういった場面とは別に、常日頃から自分の意見を持って、「こういうときに自分ならどうするか?」と考えるクセをつけておくと、いざ自分が判断する機会があったときに、対応できる力がつくとのことです。
イメージトレーニングが大事ということですね。
問題解決はしっかり原因究明してから
トヨタでは、問題が起きると、5回の「なぜ?」を行うそうです。
問題:不良品が出荷されてしまった
1.なぜ?
→ 検査が不充分だった
2.なぜ?
→ マニュアルどおりに検査がされなかった
3.なぜ?
→ マニュアルの工程が抜けてしまった
4.なぜ?
→ 大事な検査が文字だけで書かれていた
5.なぜ?
→ 現場を考えたマニュアルになってなかった
思いついた原因だけで判断して、対策を講じると、再発防止が不充分になる可能性があります。まずはしっかり原因を突き止めることが大事というわけです。
私もこの手法は聞いたことがあって、過去に一度やってみたことがありますが、そのときは原因が謎のまま終わった記憶があります(苦笑
客観的なデータで判断する
少ない、大きい、忙しいなどの言葉は、イメージがわいて分かりやすいですが、仕事の場において対策を打とうとしても、客観的なデータがないと、分析も対策もできません。
漠然とした言葉は、客観的なデータに変換するのがコツとのこと。
・少ない → 50個不足している
・大きい → 所定サイズより5cm大きい
・忙しい → 2人辞めて人手が足りない
・大変だ → まだ資料作成が10ページある
・優秀だ → 毎月目標を達成している
・怠慢だ → 2日連続で寝坊した
こういった具体化により、対策が必要か不要かも判断できますね。
他人とタイミングをずらす
他の人とやる時間が重なると、待ち時間が発生することがあります。待ち時間は単なる無駄になってもったいないので、回避したほうがいいというわけです。
そのためには、少しだけ時間をずらして、他人とタイミングがかぶらないようにするだけで、回避できることがあるとのこと。
お昼ごはんがスムーズに食べられるように、11時に早めに店に行ったり、逆に14時くらいの遅めに行ったりしますね。会社でも、みんなが昼休みを取っている12時頃だと会議室が取りやすかったり、営業のアポイントがしやすかったりするそうです。
資料は使い回す
既存の報告書、議事録、スケジュール表など、こだわればもっといいものを作れると思っても、できるだけ既存のものを使い回して、時間をかけないことが大事とのことです。
仕事では、無駄のなさをよしとして、使えるものは使って、成果物を作っていくのがよさそうです。