日本は、資本主義・自由競争の国なので、国益に影響を及ぼすと判断されない限り、基本的には国は民間に関与できません。会社やお店がつぶれても、国は助けられません。
今回の外出自粛についても、あくまでも、外出「自粛」であり、「禁止」にしないところがミソですね。
国が国民に対して、外出を控えてくださいと求めたり、活動を自粛してくださいと求めることはできても、禁止です、と言うことは難しい。
もし、国が正式に禁止してしまうと、それにより影響を受けるだろう人たちに対して、経済的に補償しなければいけなくなります。
外に出るのは国が禁止します。じゃあ会社に行けません。国が会社に行くなと言ったのだから、そのぶんの給料を国が責任を持って補償しろ。
外に出るのは国が禁止します。じゃあお店が開けないし、開いても誰も来ません。国が外出するなと言ったのだから、そのぶんの売り上げを国が責任を持って補償しろ。
こんなことが続いたら、国はさすがに補償しきれません。
なので、禁止はせず、あくまでも自粛をお願いしますよ、ということにして、どうするかは国民のみなさんに任せましたよ、外出してどうなっても知りませんよ、何かあっても補償もしませんよ、とやるしかないわけです。
このあたりのラインはとても大事で、このコロナのピンチに対して国が動けば動くほど、国民は勘違いして、国の対応が悪いからこうなった、原因は国じゃないか?などと言い出しかねないので、冷静に対応する必要があります。
悪いのはコロナウイルスであって、コロナウイルスを責めるべきです。国や病院を恨んでもしかたない。助からないときは、助からない。科学的にも統計的にもわかっていたこと。できることをみんなでなんとかやっていくしかなさそうです。