巧妙な詐欺事件

創作
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ツイッターで個人での売買も行われるような時代ですが、そんな中での詐欺事件のニュースをモチーフに、少し話を作りました。


 

 

 

Aさんは、市場でプレミアがつくようなレアなお酒を、運よく定価の2,000円で手に入れました。

それをAさんはTwitterで「10,000円で譲ります」とカキコミをして、売り出しました。

そのカキコミを見た人(ニックネーム:太郎さん)が、「買います」と言いました。

Aさんは、太郎さんに銀行口座番号を伝えました。
後日、太郎さんからと思われる10,000円が振り込まれたので、太郎さんの指定する住所にお酒を送りました。

Aさんとしては、無事、高値で転売できてよかった、と思っていました。

ところが、後日、Bさんという人から、「お金を振り込んだのにお酒が届かない!詐欺だ!」と連絡が来ました。

あらためて銀行口座を確認したところ、10,000円の振込元の名前は、Bさんでした。

Bさんは、太郎さんのはず。
太郎さんから振込があり、太郎さんにお酒をちゃんと送ったはずなのに、届いていないというのはなぜ?

なんのことか分からないまま、Aさんは詐欺で警察に捕まってしまいました。

調べを進めると、太郎さんからお酒の送り先として指定されていた住所は、太郎さん(Bさん)ではなく、さらに別の人(Cさん)の住所だったことが分かりました。

Bさんがお金を振り込んで、Cさんが受け取ったのなら、Cさんが犯人?

しかし、その後の調べで、Cさんも、Aさんに10,000円を振り込んで、その後、お酒が無事届いていたことが分かりました。
Cさんにはお酒が届いたので、被害には遭っていません。

Bさんが被害に遭ったのはなぜ?

そのカラクリは、次のようなものでした。

Cさんが10,000円を振り込んだ銀行口座は、Aさんのものではなく、犯人Xのものでした。

犯人Xは、TwitterでAさんになりすまして、犯行に及んだのです。

最初にAさんは、Twitterで「10,000円で譲ります」とカキコミをして、そのカキコミを見た太郎さんが、「買います」と言いました。

この太郎さんが、犯人Xです。

Aさんは、太郎さん(犯人X)に銀行口座番号を伝えました。

ここで、犯人Xは、Aさんになりすまし、Aさんと同じニックネームで別アカウントを作り、Twitterにカキコミをして、同じく10,000円で酒を譲る話をしました。

それを見たのは、Cさんでした。
犯人Xは、Aさんと称して、犯人Xの銀行口座を伝え、Cさんに振り込ませました。

それと同時に、同じくAさんになりすまし、また別の人にも同じお酒を10,000円で売る話をしていました。
そのときに買い手として名乗り出たのが、Bさんでした。

犯人Xは、Bさんに、Aさんの銀行口座番号を伝え、10,000円を振り込ませました。

その後、太郎さん(犯人X)は、お酒の送り先として、Cさんの住所を伝えました。

Aさんは、Bさんからの10,000円が振り込まれたあと、Cさんへお酒を送付。

Cさんは、犯人Xに10,000円を振り込み、Aさんからお酒が届く。

しかし、BさんはAさんに10,000円を振り込んだのに、お酒が届かない。

犯人Xは、Cさんから振り込まれた10,000円を持ち逃げ。

これがこの詐欺事件の全貌です。

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