また新しい切り口で予想をしていきたいと思います。
とは言っても、何番煎じか分かりませんが、各馬の過去レースから、各コーナーごとに何着かを見ることで、どういうペースで走っていて、結果を残しているのかを見るというものです。
要するに、脚質やレース展開と呼ばれるものですが、少し言い方を変えて、「見せ場のある走りをしていたか」としておきます。
こちらの表をご覧ください。「3角」とあるのが第3コーナー、「4角」が第4コーナーです。数字は、過去5年間の芝のレースで、1着から3着でゴールした馬、4〜18着でゴールした馬の、通過順位を表にしたものです。
たとえば、3角→4角を1着→1着で通過し、そのまま3着以内でゴールした馬は、のべ2926頭いるというわけです。
この表の見かたとしては、数字の大小から、確率的に狙っていくのではなく、いかに展開すれば、1〜3着に結びつくのか、というところを見ていきます。
たとえば、1着→1着の数字が大きいということは、逃げる馬は、3角でも4角でも1着で逃げ続けているのが理想であるということです。
これが、1着→2着に落ちると、一気に95件に減り、1着→3着でたった4件、さらに1着→4着より下はきれいにゼロが並んでいます。
これは、3角までいくらダントツで逃げていても、4角で後続に追いつかれて4着以下に落ちたら、もう絶対に3着以内はない、という意味になります。
人間が走るレースなら、ラストスパートでまた巻き返す、火事場の馬鹿力なんてこともよくありますが、競馬の世界ではそれはない、ペース配分を間違えて失速しはじめたら、もう勝てない、ということになります。
念のため4〜18着の表も見ると、1着→15着まで落ちた馬も実在しており、3角から4角の間で急減速することはありえることが分かります。そうなった馬は勝てないわけです。
逃げている馬が逃げ切って1〜3着に入るためには、せめて2着はキープしなければならないということは、とてもシビアで、これだけ明確に結果が出ていることは少し驚きです。
一方で、3角で2着より下のところを見ると、4角で多少順位が変動しても、そこまで大幅には減っていません。
これは、いわゆる先行馬の走り方であり、逃げ馬の後をつけて様子を見ながら、最後に抜け出すという作戦でうまく対応していることになります。
ここで、気が早まって、最終の直線を待たずに4角の段階でうっかり1着に飛び出てしまうと、2着→2着であれば2739件、勝ち急いで2着→1着だと407件に減ります。先行馬はやはり、最後の直線までの我慢が大事ということになりそうです。ただし、4〜18着と比較して、悪いというわけではありません。
そして、特に件数が多い赤色のところを見ると、1着→1着、2着→2着、3着→3着、4着→4着、5着→5着と、3角と4角での順位が変わっていません。その傾向は6着以下も同じです。
このことは、3角と4角で展開に変化がないレースが多い、ということが大きく言えますが、それだけではなく、騎手と馬の息が合っていて、コントロールが効いているということもあるかもしれません。先行馬が落ち着いて順位をキープしながら走ることができた結果、直線で抜け出すことにも成功しているところもあるかと思われます。
さらに、1〜3着の表と、4〜18着の表を、パーセントに直したうえで統合したのが、この表です。赤・オレンジ・黄の部分は、1〜3着になった馬が多く取っていた位置取り、青い部分が4着〜18着になった馬が多く取っていた位置取りです。
青い部分でも、1〜3着をまったく取れないわけではありませんが、赤・オレンジ・黄の部分の位置取りで走れている馬は、信頼度が上がるはずです。
また、赤・オレンジ・黄の分布を見ると、斜めのラインを境に、左下側に分布が見られ、右上側は青だらけです。左下側、すなわち、3角よりも4角のほうが順位が上がっている(6着→4着など)部分になります。順位を変えずにキープするか、または3角から徐々に順位を上げていくのが有効というわけです。
このように、第3コーナー、第4コーナーの通過順位を見ただけでも、この馬はスムーズだ、この馬の走りでは勝てない、といったことが見えてくるように思います。勝ちにつながる馬の走りはやはり違うのてしょう。そしてその直接の要因としては、馬の実力はもちろん、気性だったり、騎手の腕だったりもするのでしょう。
実力が近い馬同士のレースであれば、レース中の展開が結果に影響してくるわけで、見せ場のある走りができた馬、騎手なのかを下調べすることは、予想において大きなポイントになりそうな予感がしています。