競馬 騎手と人気

競馬コラム
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人気の変動にはさまざまな要因がありますが、「この騎手が乗る馬は強そうだ」と、騎手で選んでいる人はけっこういると思います。実際に買ってみると来なくて、あえて買わないと来たりするので、困ったものです。

また、この騎手だといつも人気薄だけど、たまに穴をあけるなあとか。騎手が人気に影響を与えたり、結果に対する印象が異なったりすることは、たくさんあるかと思います。

直近で気になったのは、デムーロ騎手のことです。デムーロ騎手は、かつてはルメール騎手と並んで、ルメデムないしデムルメと言われるような、外国人騎手の双璧でした。しかし、最近の結果はボチボチ。

今日のレパードSでも、3番人気に推されました。このときの人気は、おそらく馬の力によるもので、騎手がうまく走らせれば勝てるだろうという、みんなの期待だったと思います。しかし結果は、いいところを見せられず、7着でした。馬の能力が足りなかったのか、または操縦ミスか。

詳しくは調べていませんが、デムーロ騎手にはなんやかやあって、競馬関係者から顰蹙を買い、いい馬の騎乗依頼が減ったと言われています。いい馬が来なければ、勝ち星が減り、勝ち星が減るとまた騎乗依頼が減るという悪循環に陥っているようです。今日のレパードSはまたちがうかもしれませんが、不調なのは確かなようです。いい感じに復調するといいですけどね。


そこで気になったのが、デムーロ騎手に限らず全体における、騎手と人気の関係性です。

騎手には上手い下手や、やる気の問題ももちろんありますが、その騎手にいい馬が回ってくるかも重要で、そこには馬主や調教師などの競馬関係者との信頼関係がモノを言うと考えられます。そういった部分が、数字で見えてこないかなと思ったわけです。

そういったわけで、下にある表でまとめてみました。

騎手のデータは、経験や調子の波があり、あまり古いところから取っても意味がないので、2023年の1年間だけにしました。

重賞のみで取っていますので、ここにいる騎手は、重賞での騎乗を頼まれるような一定以上の実力を持った騎手ということです。


表の見方ですが、勝と負は、馬券にからんだ3着以内か、4着以下かで分けています。一方で、%の数値は勝率ではありません。人気が6番人気以内だった率を示しています。

たとえば、レーン騎手は、勝が100%、負も100%です。これは、すべてのレースで、レーン騎手が乗った馬は6番人気以内だったということです。7番人気以下になったことがないわけです。でも、毎回勝てるわけではないので、勝ったときも6番人気以内、負けたときも6番人気以内になり、どちらも100%というわけです。

多くの場合、人気は、馬の強さや戦績で決まります。いくら騎手によって結果が変わるからといって、ほんとに力が足りない馬を勝たせるのは難しいはずです。しかしレーン騎手は、勝も負も100%になっている。

すなわち、レーン騎手が乗ると、馬が強かろうが弱かろうが、なんとなく勝ちそうだとみんなが考えて、人気が上がってしまうということになります。

それが「常に人気ありタイプ」に分類した騎手です。勝のときの6番人気以内率が50%以上、負のときの6番人気以内率も50%以上の騎手をこちらに分類しています。

弱い馬でも人気があるというのは、買う方としたら困ってしまいますね。リーディング上位の騎手が多く見られ、騎乗数も勝ち星も多いので、悩ましいところです。


再掲

次に、「人気と結果が連動するタイプ」です。こちらのタイプがとても馬券を買いやすいことになります。

勝の6番人気以内率が50%以上で、負の6番人気以内率が50%以下の騎手たちです。

たとえば柴田善臣騎手。勝が100%ということは、勝ったときの人気は、すべてのレースで6番人気以内だったということです。

一方で、負けたときの人気で6番人気以内だったのは7%。逆に言えば、93%が7番人気以下だったわけです。人気がなければ勝率も下がるのが、一般的な傾向。

つまり、柴田善臣騎手が人気のある馬に乗ると、100%馬券圏内に入り、7番人気以下ならほぼ負けるということです。人気と勝率が連動していて、ほとんど穴をあけない騎手というわけです。非常に買いやすいデータとなっています。ただし、出走レースが少なく、サンプル数が少ないため、注意が必要です。

このタイプは、対象の騎手が騎乗した馬が人気があるときに買えば、好走が期待できるので、わかりやすいです。和田騎手あたりもいいですね。


最後に、「常に人気なしタイプ」です。いい馬に乗っても、そうでもない馬に乗っても、その騎手が乗っていると人気が落ちるという、ちょっとかわいそうな騎手たちです。勝の6番人気以内率が50%以下、負も50%以下の騎手をこちらに分類しています。0%という騎手もいます。

勝が0%の騎手は、まったく勝てていないわけではなく、勝っていても7番人気以下だったという意味です。たとえば内田博幸騎手は、2023年のNHKマイルを9番人気で勝っていますので、重賞勝ちがあった上での0%。酒井学騎手、富田暁騎手も2023年に重賞を勝っています。

重賞で勝っても7番人気以下、負けたときもほぼ7番人気以下なので、狙って買うのが難しいですね。

面白いところで丸田騎手は、勝ったときに人気薄で、負けたときに人気があるという感じになっていて、分かりやすく言えば、人気のある丸田騎手は危ない、ということになります。その点は、団野騎手や北村騎手あたりも同じ感じです。ただ、2023年は重賞を勝っていませんが。


以上、あくまでも特定の期間のデータではありますが、なかなか傾向としては顕著だと思いました。その騎手の実力、考え方、性格、関係者との関係などが、少なからず見えるデータではあると思います。

これだけでの予想は無理だとは思いますが、参考にしてみたいと思います。

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