追い風男

創作
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子どものころ、彼の回りには必ず追い風が吹いていた。

小学校のかけっこでは、必ず彼の後ろから風が吹き、彼の背中を押した。
その結果、かけっこはいつも1着だった。

体育の授業のサッカーでも、彼がシュートを打とうとすると、後ろから風が吹き、ものすごい勢いでボールがゴールに突き刺さった。
前半後半で入れ替わっても、彼を味方するように風の向きも変わった。

常に彼には追い風が吹き、彼の背中を押し、彼を助けた。

体育大学に入り、短距離走の選手として活躍したが、彼の記録はいつも、追い風参考だった。

おわり

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