競馬予想において、「G1馬だから強い」といった話題が出ますが、どこまで考慮したらよいか、いつも悩みます。
グレード制は、上記のように三角形で表されます。
下のランクから、どんどん上がっていって、頂点がG1、というわけです。それ自体は、そういうものなので、問題ありません。
しかし、よく考えてみると、同じG1でも、2歳G1、3歳G1、4歳上G1、牝馬限定G1など、年齢や性別によって分かれているので、G1を勝った馬ならどの馬も同じくらい強い、とは言えません。あくまでもその条件の中での話になります。
たとえば、2歳G1で優勝した馬が、同じ日に全く同じコースで、4歳上G1のメンツと戦ったら、おそらく苦戦すると思います。
イメージとしては、学年別の陸上大会に近いかもしれません。中学生の100メートル走で、学校で学年トップになり、県大会で優勝し、関東大会も突破して、全国大会の決勝まで進む感じです。強いて言えば、県大会がG3、関東大会がG2、全国大会がG1みたいな感じでしょうか。
同じG1全国大会でも、中学生のG1全国大会と、大人のG1全国大会では、力が全然違うわけです。差がありすぎて、レースにもならないはずです。なので、G1というだけでは強さは判断できず、条件を踏まえて考えないといけないわけです。
ただ、中学生で全国大会に出るような脚の速い子は、高校でも陸上は続けるでしょうし、大人になってもやっぱり脚は速いでしょう。なので、2歳G1で勝った馬が、1年後に3歳G1でも活躍する可能性は高いとは思います。
ここからはオマケですが、人間にたとえてもしかたないのですが、昭和の日本人短距離ランナー、当時の日本記録を持っていた不破弘樹さんの、中学生、高校生、大学生、社会人の100メートル走最高タイムを見てみましょう。
不破さんは、中学3年生で11秒を切り、自身の最高タイム10.3を、高校3年生で達成しています。高校生でオリンピック日本代表にもなりました。そこから大学生になり、社会人になりましたが、タイムに伸び悩み、社会人8年目で引退となりました。
馬に置き換えると、2歳が中学生、3歳が高校生、4歳で大学生、5歳以上は社会人、というイメージで考えると、ちょうどいいと思います。
不破さんの場合、2歳で敵なしの速さ、3歳でも古馬相手に勝っちゃうような強さを見せつつも、4歳以後はなかなか伸びず、7歳で引退、みたいな感じになります。
不破さんはすごい人なので、高校生で大人レベルの実力でしたが、ふつうは大学生、社会人になってからピークが来るものです。馬で言えば、4〜5歳になります。
まとまりませんが、結局のところ何が大事かというと、過去に出走したレースがどういう条件のレースだったか、しっかり情報を見て、その上で着順の価値を判断し、出走馬を比較しないといけない、ということです。ずいぶん話がそれた気がしますが、気のせいです・・・。