単勝は当たりやすく、三連単は当たりにくい。それが当たり前ということになっていますが、その説明に、当たる確率が例に出されることがあります。
たとえばシンプルに10頭立てのレースだとして、単勝が当たるのが1/10、複勝が当たるのが3/10。馬単だと1/90、三連単だと1/720という具合。単勝は10回に1回当たるのに対して、三連単は720回買わないと当たらない確率、というわけです。これがもし18頭立てだったら、さらに当たりづらくなります。
ただ、実際にはそうはなりません。もう少し当たりやすい印象です。それはなぜかというと、出走馬が馬券にからむ確率が均等ではないからです。
極端な例でいうと、1番の馬が50%、2番の馬が25%、3番の馬が25%の確率で3着以内に入り、4〜10番の馬は0%だったとします。
単勝1番は、2回に1回当たります。2番と3番は、4回に1回当たります。でも4〜10番の馬はいくら買っても当たりません。
この条件で、1〜3番の馬で1-2-3の三連複を買うと、100%当たります。単勝が最高でも50%なのに、三連複のほうが100%と、当たる確率が高くなります。
もちろん、極めて極端な例ですが、出走馬すべての馬が同じ確率ではなく、偏りがある関係で、三連複三連単が当たりにくいとは言い切れない、ということです。
勝つ可能性が高い馬を見つけて、その確率が高ければ、いつか当たるというわけです。
そこでまず、どのあたりの的中回数なら我慢できるか、というところを考えます。
前回、私は「毎回でも当てたい」と書きましたが、毎回はなんとなく難しいと気づいています。ただ、当たらなすぎるとつまらない。どのあたりの的中率で、何回我慢できるか。
たとえば、複勝2番人気の的中率は、約50%です。50%なのだから、2回レースがあれば必ず当たる、と思ってしまいますが、実際は75%です。
複数回の試行は足し算ではなくて掛け算になるので、50%*50%=25%、この数字が2連続ハズレの確率なので、「少なくとも1回は当たる確率」は、100%−25%=75%になります。
ちなみに、3回の試行で87.5%、4回で93.75%、以下96.875%、98.4375%と続きます。100%以下の確率のものをいくら試行しても、原理上100%までには到達しません。ここでは、90%以上で当たったと見なします。
それでも、50%の確率では4回で90%を超えたのに対して、20%の確率では12回、10%だと22回の試行が必要になります。
一方で、馬券は1点だけではなくて、2点以上も買えます。なので、複数点買うことで当たる確率を上げられます。
仮に、単勝1番人気が30%、2番人気が20%だとすると、1〜2番人気の単勝を買えば30+20=50%、2回だと51+36=87%、3回だと66+49=115%と、いつか当たる確率が増えていきます。
確率で考えるなら一点勝負が分かりやすいですが、多点買いでもいいわけです。
その、損益分岐点がどこなのかが難しいんですが、計算はまた今度。