そのむかし、「レースに勝つ気のない馬はいますか?」というネットの質問に対して、「すべての馬は勝つためにレースに出ています。負けようと思っている馬は一頭もいません。」という回答を見たことがありました。
この言葉は私にとっては結構大きくて、それ以来、私も「そうなんだ!」と思い、出走するすべての馬が、勝つためにレースに出ているんだと考えて、できる限りまんべんなく全頭を見るようにしてきました。
ところが、なんだかんだで何年か続けて競馬を見ていると、どう考えても勝てないのにレースに出てくる馬がいるような気がしてきました。相手が明らかに強かったり、コースに適していなかったり、負け続きだったり。なんでだろうと思えてきたわけです。
なんとなくわかってきたのです。「すべての馬は勝つためにレースに出ています。」の意味は、負けるために出るのではない、という意味でしかないということです。
また「負けようと思っている馬は一頭もいません。」も、勝てる見込みがあるとまでは言っていません。
要するに、レースに出るというだけで、勝つために出ることとイコールであり、誰でも負けたいとは思わないけど、必ず勝てると思っているわけでもないということです。
それこそ、そんな楽観的すぎる考えで勝てると思うほうがすごいですし、勝因や敗因を冷静に分析できなければ、勝ちは望めないと思われるからです。
そこで、私も考えを変えて、現実を見たいと思います。みんな勝ちたいのは当たり前。あわよくばマグレでも勝ちたいと思っている。ただ、勝てないと分かってて、レースに出ている馬は、いるであろう。
そう考えた場合、やるべきことは、「勝てる見込みのない馬は消す」という作業になります。
では、逆に勝てる見込みがある馬は、どう判断すればよいか、ということになります。
レースは、強い馬が勝つのが真理です。もし、明らかに他の馬と比べて強い馬がいたら、勝つ可能性は高いでしょう。明らかに弱い馬がいれば、消しの対象になりえます。
ただ、多くのレースでは、条件戦でもハンデ戦でも、だいたい同じくらいの強さの馬が集まって戦うことになるので、実力が抜けた馬が見つからないことがあります。
あとはレース条件です。距離適性は、このくらいの距離が向いているだろう、と思ってレースに出しているので、得意な距離はどの馬もだいたい同じです。もし、明らかに合わなそうな馬がいたら、消しの対象になりえます。
特定のコースへの適性もありそうです。そのコースだけ得意な馬というのはいるもので、逆に苦手な馬もいます。初めて走るコースは未知数ですが、それだけで消すと痛い目にあいます。
展開もありそうです。どんなに強い馬でも、展開によって苦戦することがあります。先行組が止まらず、強い差し馬が間に合わなかったり。ペースが上がりすぎて、強い先行馬のペースが落ちて差されたり。枠が明らかに不利だったり。
どういった要素を見ていくかですが、細かく見ていくには、ある程度絞ってからのほうがいいですが、展開は全頭を見てからじゃないと判断できません。
なので、以下のような順番になります。
①そのレースの条件、コースを把握
②出走馬全頭から、展開を予想する
③明らかに弱い馬を消す
④明らかに強い馬を選ぶ
⑤④がいなければ、展開に合う馬を選ぶ
最初に、そのレースの競馬場、距離、左右回り、大小回り、坂、斤量、年齢などの条件から、どういう馬が出走して、どういう馬が勝てそうかを考えます。
次に、展開を予想するところは、レース条件やコースの適性の判断も含め、今回のメンバーでどのような展開になるかを考えます。
その後に、弱い馬、強い馬を選んでいきます。
この順番で考えていかないと、なんとなく強い馬を選ぶだけになって、考える行程がないというか、うまくハマらない気がしたわけです。
当たるかどうかは別として、競馬を考えて楽しむために、こんな感じでやっていきたいと思います。