AI作曲の時代

DTM
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こないだ Fender Studio Pro 8 にアップグレードして、それ以降ちょくちょく触っていますが、肝心の楽曲はちっともできません。

ただ、面白い機能を見つけてしまい、それで遊ぶのに夢中になっています。

ステム分割

Studio One 7 からある機能らしいのですが、「ステムを分割」という機能があります。こちらは、AIの技術を使って、オーディオデータからボーカル、ドラム、ベース、その他の4つに分けてくれる機能です。これがとても精度が高くて、違和感がありません。AIってすごいですねぇ。

これまでも、「ボーカルを消す」的な機能はいろんなソフトであったと思うのですが、たいていはステレオの差分を取って、真ん中にある音(ボーカルは真ん中に配置されることが多い)を消すというものでした。しかしそれではベースなど、真ん中で鳴っているほかの楽器の音も消えてしまいます。

AIを使ったこの技術では、そういった発想ではなく、ボーカル、ドラム、ベースのそれぞれの音色を分析して、そこだけ抜き取ってくれるようです。すごいですねぇ。

カラオケが作れる

ボーカル、ベース、ドラム、その他に分けてくれたあと、どう活用するかですが、私が最初に試したのはカラオケの作成でした。

市販の楽曲をソフトに入れ込んで、ステム分割して、ボーカルだけミュートにすれば、あっという間にカラオケの出来上がりです。

そこに自分の声をレコーディングしたものを重ねれば、あっという間にカバー曲になります(笑

自分の声を吹き込むかわりに、VOCALOIDに歌ってもらうというのもいい感じです。

もちろん著作権があるので表には出せませんし(そもそも歌が下手なので表には出せない)、あくまでも個人の範囲で楽しむだけですが、とても簡単にできて、遊んでて楽しいです。

ReSingというものもあります

ReSing
ReSing. Your voice reimagined. Voice modeling for ...

VOCALOIDはとてもリアルな声で、人間の代わりに歌ってくれますが、最近発売された ReSing という製品もなかなかいいです。類似したソフトもあるかもしれません。まだお金を出して買ってはおらず、無料版を試しているところですが、とても面白いです。

VOCALOIDは打ち込みの一種なので、作業がけっこう大変ですし、表現をつけるのもコツが要ります。このReSingは、自分が歌った声を別の声にチェンジしてくれる、ボイスチェンジャー的なソフトで、なおかつ音程のピッチも直してくれます。

個人的にうれしいのは、しょぼいマイクしかない環境で歌を録音しても、AIで高音質の声に変換してくれるので、しっかりしたレコーディング環境の整備がなくてもよい、というところです。

伴奏はすでにソフトシンセでPC内で完結するので高音質なのですが、ボーカル録りだけは、いいマイクを使ったり、部屋が静かで雑音が入らなかったりなどの環境が重要です。素人の環境では確実に音質が下がるので、そこがネックだったのです。ReSingを使うと、自分の声ではなくなりますが(笑)、ボーカルも伴奏もすべて高音質になります。

楽器を弾けなくても、打ち込みができなくても、歌うだけならできる人は多いと思います。多少下手でもいいのでささっと歌ってReSingに入れれば、自分の歌声をきれいな声に変えてくれます。VOCALOIDの代わりか、それ以上のクオリティだと思います(外国のソフトなので、多少外国なまりの発音になります)。

しかも、人間の声だけでなく、ベースやサックスの音にも変えられるらしいです(まだ試していませんが)。歌うことで単音の楽器の打ち込みもできたりするわけですね。

ループ素材の代わりや耳コピに

これも著作権的にはグレーかもしれませんが、分割して取り出したドラムやベースを、自分の楽曲を作るときのループ素材として使うこともできます。

素材集をたくさん買わなくても、自分がほしい素材がなかなか見つからないときにも、自分が好きな楽曲の好きなドラムやベースの部分を拝借することができます。

また Fender Studio Pro 8 では、オーディオからMIDIの音符に変換する機能があります。

個人的には変換精度はそこまで高くないかなという印象ですが、ステム分割した後のドラムやベースなら、かなりの精度で変換してくれます。

一度MIDIにしてしまえば、音程やタイミング、音色を変えることができるので、自分の楽曲にも活用できますね。MIDIにして音色まで変えちゃえば、ぶっちゃけ耳コピしてイチから打ち込んだのと変わりませんので、うまく活用したいところです。

今後の作り方の選択肢

今までは、メロディーを考えながら、並行して伴奏のドラム打ち込んで、ベース打ち込んで、ギターやキーボード、パッド系を追加して・・・なんて感じで、全部手作業で作っていました。

今後は、ドラムはループ代わりにカッコイイ曲からドラムを拝借し、適宜音符を編集。ベースやギターソロは歌った声を変換して楽器へ、メロディーも自分で歌ったものを変換していい声にして、ハーモニー系だけ打ち込んで、全体を整えて完成、みたいな感じの作り方もできそうです。

さらにギターのバッキングも自動で作れたり、ミックス、マスタリングまで全自動でできるソフトもあるらしいのですが、高くて手を出せません。競馬が当たったら考えます。

音楽を作りたい人の中には、完成物にこだわる人、仕事でやっている人ばかりではなく、私のようにただ自己表現がしたいだけの場合があるわけです。そういうときに、楽器が弾けないといけない、打ち込みができないといけない、という高いハードルがあると、なかなか音楽制作に手を出せない、そういったところがあったと思います。

AIの時代、AIで作る音楽といっても、すべてをAIが生成するものしかないわけではなく、あくまでも人間が音楽を作るけど、その過程での作業を減らしてくれる、技術的な難易度を下げてくれるものが出てきているというところです。

自己表現のかたちの一つとしての音楽という性質は失わずに、AIの活用によって負荷が減り、その人のセンスと曲の方向性、オリジナリティーで音楽を作っていける時代になったのは、とても素晴らしいことだと思います。

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